神戸地方裁判所 昭和52年(ワ)884号 判決
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【説明】
(請求原因)の一は次のとおりである。
「 一 原告は乾物卸売業を営むもので、昭和五一年四月以降「名産昆布椎茸」と表示した化粧箱(以下本件化粧箱という)に昆布と椎茸を詰合せて、訴外株式会社ヤマトヤシキ(以下ヤマトヤシキという)に販売して来たところ、被告は昭和五二年七月一六日付書面を以てヤマトヤシキに対し、右化粧箱は被告の考案したものであるから右化粧箱を用いた昆布、椎茸の販売を中止するよう申入れ、右書面は翌一七日ヤマトヤシキに到達した。」
【判旨】
一 請求原因一の事実は当事者間に争いはない。<証拠>によると、本件化粧箱は、木目の柄のある生地に、海と岩山及び岩山の上に松数本を画き、その上部に毛筆文字で「昆布椎茸」と大きく書き、その右肩に同じく毛筆文字で小さく「名産」と書いたもので、風景、文字共金箔で書き、文字は浮彫としたデザインのものであることが認められる。
二被告は、右デザインは被告の考案した著作物であり、被告はこれについて著作権を有する旨主張するが、著作権法にいう著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものであるところ(著作権法一条一項一号)、本件化粧箱に表示された前記デザインは思想、感情を表現したものには該当しないから、これを以て著作権法の上著作物であるということは出来ない。従つて仮に被告が右デザインを考案したとしても、これについて著作権の成立する余地はないから、被告の右主張は採用出来ない。
(林義一)